先生
先生というのはいろいろある。
美術の先生、体育の先生、数学の先生、はたまた茶道の先生、ピアノの先生……。
いいかえればなんの先生でもなりえる。
わたしは———なんだろう。
なにかに特筆すべきものや特技もなし、趣味も…ゲーム、読書、動画、あとは…なんだろう。
そんな程度。
なにかの先生にはわたしはなれないのか…。
ううーん。
なってみたい。なにかの先生になってみたい。先生って呼ばれてみたい。
だが考えても考えてもなにも出てこない。
寝転んでみても小説を読んでもヒントのヒの字も出てこない。先生というにはまだ、わたしには早いのか。
そうだ、そうなれば———。あるひとつの考えが浮かぶ。
弟子を雇えばいいではないか。
弟子。それは先生がいればいいというもの(?)。
むりやりに考え出した結果がこれだ。
よし、今日から弟子を雇おう。
弟子になりたいひと!
そう声高に言っては見たものの、だれも聞いていない。
私には人望がなかったのか……。
仕方なしに、遠慮がちに見ていたワンコに話しかける。
「わたしの弟子になってくれるかい?」
———なにを言ってるんだこいつ。
不思議な顔してにらめっこする。
ああ、わたしは犬にも…犬望(?)にも恵まれていない。
いじいじいじけていたが、土下座してなんとかワンコには弟子になってもらった。
じゃあ授業をはじめよう!
「まずは習いたいことを言ってみてください」
「……」
「じゃあ、いまなにを考えているか教えてください」
「……」
「あの———」
「……」
……そろそろお開きにしてみましょう。
これじゃあいつまで経っても埒が明かない気がするようで。
ああ、そうそう。
バレンタインに生チョコを作りました。かなり生クリーム多めでしたが、意外とおいしかった。また作りたいかも。簡単だったし。
さすがに弟子(ワンコ)にはあげられなかったけど。ごめんね。