【強運の持ち主】瀬尾まいこ
強運の持ち主 (文春文庫) | 瀬尾 まいこ |本 | 通販 | Amazon
瀬尾まいこ先生の作品は、やさしいですね。ほっこりします。
とくに起承転結の“転”がなにか悪い方向へガクっと落ちるわけでもないから、安心して読めるのが瀬尾先生のいいところ。
さて、瀬尾先生が今回書かれたのは占い師とそのお客さんのお話。
営業の仕事をしていた経験を活かし、占い師に転職した吉田幸子。
ルイーズ吉田と命名され、師匠から占いを学び、その後独り立ちしてショッピングセンターの一角で占いをする。
訪れたお客は父母のどちらを選ぶべきか悩む小学生男子。
占いが何度外れても訪れる女子高生。
物事のおしまいが見えてしまうという男子大学生。
さすが営業していただけあって、話術が上手い!
悪い予言も言い方によって、受け取る側が安心するように巧みに誘導している。
占い師に向いてる。
評判もいいし、外れてもまったく落ち込まないところがこの主人公のいいところ。
わたしだったら、どうしようどうしようと落ち込みすぎて占いなんてできなくなってしまいそう……。
登場人物も個性豊かで、みんなやさしい。
あたたかい気持ちになりたいときにおすすめです。