【ハミザベス】栗田有起
ハミザベス (集英社文庫) | 栗田 有起 |本 | 通販 | Amazon
栗田先生の本は今回で2冊目。
1冊目は「マルコの夢」という作品を読んだけど、内容忘れてしまいました……。
さて、今回は「ハミザベス」という作品。
本書は2編で構成されていて、「ハミザベス」のほかに「豆姉妹」も含まれている。
「ハミザベス」は父の遺産として、マンションを一部屋とハムスターを受け取る、主人公まちる。
そのマンションで暮らす日常、父の同居人だった女性……。
登場人物との不思議な関係。物語は流れる会話で紡がれていく。
「豆姉妹」は、まるで双子のように顔が瓜二つの姉妹。
看護師だった姉はSMの女王様へ。
妹は突然アフロに。
夜に滝行するおっさん。
妹の立場での日常が書かれている。
感想として、「豆姉妹」の方が面白かった。
特徴的なエピソードが多めだったからかな。
2編とも共通するのは、流れるような会話が心地いい。
そして、むずかしい表現やまわりくどい言い回しがないのでさらさらと読めました。
また栗田先生の作品を読みたいです。
【強運の持ち主】瀬尾まいこ
強運の持ち主 (文春文庫) | 瀬尾 まいこ |本 | 通販 | Amazon
瀬尾まいこ先生の作品は、やさしいですね。ほっこりします。
とくに起承転結の“転”がなにか悪い方向へガクっと落ちるわけでもないから、安心して読めるのが瀬尾先生のいいところ。
さて、瀬尾先生が今回書かれたのは占い師とそのお客さんのお話。
営業の仕事をしていた経験を活かし、占い師に転職した吉田幸子。
ルイーズ吉田と命名され、師匠から占いを学び、その後独り立ちしてショッピングセンターの一角で占いをする。
訪れたお客は父母のどちらを選ぶべきか悩む小学生男子。
占いが何度外れても訪れる女子高生。
物事のおしまいが見えてしまうという男子大学生。
さすが営業していただけあって、話術が上手い!
悪い予言も言い方によって、受け取る側が安心するように巧みに誘導している。
占い師に向いてる。
評判もいいし、外れてもまったく落ち込まないところがこの主人公のいいところ。
わたしだったら、どうしようどうしようと落ち込みすぎて占いなんてできなくなってしまいそう……。
登場人物も個性豊かで、みんなやさしい。
あたたかい気持ちになりたいときにおすすめです。